今回は、バンガードが運用する債券ETFである【BND】を見ていきましょう。米国債を含むアメリカの投資適格債券が対象のETFですね。
【BND】の株価推移
株価を見ると、リーマンショック時に下落してからコロナショック前後で25%程度上昇しています。上昇率は限定的ですが、「これぞ債券」という感じで、ボラティリティがかなり低いですね。
コロナショックで一時は5%超落ちたものの、その後のマーケット上昇もあり、今では完全に回復しています。
【BND】のポートフォリオ構成
業種別比率
4割強は米国債です。米ドルは石油の決済を含む現在の世界における基軸通貨なので、最強の債券の一つと思います。
今後基軸通貨が、例えば中国元になるのか、はたまたユーロになるのか。それは分かりませんが、石油の需要・供給何れも長期的に見て減少することや、10年後を目途にGDPで中国が米国を抜く予想があることを踏まえると、将来的な基軸通貨の変化は十分あり得ます。というか、歴史を見れば、世界の中心国は常に変化してきています。盛者必衰ですね。
2割強を占める住宅ローン担保証券とは、金融機関が住宅ローンを束ねて証券化し、その元利金支払いを政府系機関が保証したものです。
インダストリアルや金融と、社債が続きます。
格付け別比率
格付け別で先ず目に入るのは、米政府系の債券比率ですね。6割超です。上記の通り、6割の内4割は米国債、残りは政府住宅ローン担保債権ですね。
マチュリティ別比率
マチュリティで見ると、高い方から3-5年、1-3年、5-10年、20-30年がバランスよく組み込まれています。
5年以内と比較的短期のもので6割弱を占めていることは、ポイントとして挙げられるかと思います。
【BND】の一株当たり配当額と利回り
配当額は、2010年以降下降気味だったものが、2017年からやや上昇傾向にあります。
ただ、利回りは2010年の4.5%から下降したまま、3%弱でその後継続して推移していますね。直近では更に少し落ちていて2.5%程度です。
【BND】の基本情報
経費 | 0.035% |
運用総額 | $52B |
組入債券数 | 9,398 |
平均マチュリティ(年) | 6.3 |
配当支払の頻度 | 毎月 |
組成時期(年) | 2007 |
経費はバンガードらしく0.04%と、他のバンガードが運用するETFと比較しても最低水準ですね。
組入債券は9千超と多岐に渡ります。
個人的に「良いな」と思ったのは、配当の支払い頻度ですね。毎月です。毎月に分割されるとその分金額は減りますが、毎月のお小遣い的な感覚で配当が入ってくるのは悪くないかもしれません。
【BND】のまとめ
今回は、バンガード社が2007年より運用している、米国債を含む米国適格投資債券を集めたETFの【BND】を見てきました。その約6割が政府関連債券であることや、その銘柄数の多さは予想していませんでしたね。
【BND】のまとめ
- 【BND】は米国の投資適格債券を集めたETF。その内4割は米国債、2割は政府保証の住宅ローン債権。
- 株価は、リーマンショックからコロナショックまで25%の上昇に留まるも、ボラティリティは低く株価は安定。
- マチュリティは5年以内が6割弱を占める。
- 配当額はここ数年は微増傾向で、直近の利回りは2.5%に留まる。
- 配当の支払い頻度は毎月。
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