アメリカ スターバックス株【SBUX】の銘柄・配当分析。【今後】

今回は、「アメリカ スターバックス株【SBUX】の銘柄・配当分析。【今後】」について書いていきたいと思います。

これまでは、「サードプレイス」つまり「自宅や職場に次ぐ、人が集まれる第三の場所」をコンセプトにリアル店舗に注力していました。が、この2年位で、テイクアウトやドライブスルー、更にはテクノロジーへの投資を強化しています。

巨大な会社ながら、時代の流れを見ながら自らを変化させているのですね。

スターバックス【SBUX】の事業

沿革

アメリカはシアトルに本社を置くスターバックスですが、創業は1971年まで遡ります。

創業者は3名いて、1980年代に、現会長のHoward Schultzが彼らから会社を買い取りました

Howardは大統領選に立候補が噂される等、非常に知名度が高く実績を残してきた経営者ですが、彼は元々のスタバの創業者ではないのです。

Howardは、出張で訪れたミラノにて、人々がエスプレッソを片手に雑談し、カフェがまるでサロンのように機能していることを目の当たりにします。それをアメリカでも広げたいと思い、スタバを買収。現在に至るわけです。

そういう意味では、マクドナルドのRay Krocと似ている部分がありますね。現在私たちが知っているスタバの実質的創業者は、Howardと言えるでしょう。

Howardは2000年にスタバを去りますが、その後業績不振が続いていた会社を立て直すために、2008年にCEOへ返り咲きます。そしてその後下記で見る成長を実現したわけです。

ビジネスモデル

ご想像の通り、スタバは、主にコーヒーを売ることで収益を得ています。コーヒー豆を仕入れて、それをコーヒーへ加工し、各店舗で顧客に売っています。

コーヒーに加え、サラダやパン、デザート等の食べ物も商品です。

更には、メーカーと組んでCPG(パッケージ商品)も小売で売っているのですね。

店の形態は、直営店とライセンス店がちょうど半々位です。

直営店はスタバが自社で店舗を経営すること、ライセンス店はスタバのブランドをパートナー企業にライセンスし、各店舗の経営は彼らに任せ収益も彼らが得る代わりに、売上の一定割合などライセンス料を徴収する仕組みです。

詳しくは、下記の売上内訳で見ていきましょう。

スターバックス【SBUX】の堀

スタバの堀について考えてみました。

スタバ【SBUX】の堀

  • ロゴを含めたブランド力
  • ライセンスパートナーとの関係及び世界中にある直営店舗網
  • 生産者との関係
  • 世界における中間所得層の増加に伴うコーヒー需要の増加

先ず、「ブランド力」です。

スタバは世界で最も知られたコーヒーチェーンでしょう。これほどの知名度とイメージを多くの人に植え付けるには、時間とコストがかかります。

スタバのロゴや名前を付けたCPGが相応に売れているのは、ブランド力がある証拠です。

スタバはコーヒーチェーンではありますが、サロン的な人と軽く会う場やリラックスして勉強・仕事をする場としての価値もあります。ユーザーは、そうしたイメージもスタバに対して抱いているでしょう。

次に、「ライセンスパートナーとの関係と巨大な直営店舗網」です。

この規模で直営店を展開するには、膨大な初期投資が必要です。ライセンス事業にせよ、パートナー企業を見つけ、サポートし、信頼関係を作るには、少なくとも数年単位で時間がかかります

そして、「生産者との関係」です。

スタバは、世界30ヶ国、30万に及ぶコーヒー豆の生産者と取引をしています。その数に表れているように、コーヒーの生産者は幾つかの大規模な会社集約されているわけではなく、細分化しています。その多くが中小規模でしょう。

スタバは、生産者に対して融資などサポートを行うことで、彼らとの関係を強化し、競合へスイッチングされにくくすると共に、接続的に事業が回る仕組みも作っています

最後に、「中間所得層の増加に伴うコーヒー需要の増加」です。

スタバのコーヒーは主に中間所得層向けの価格帯です。例えば、数年前からの中国はそうですし、今後10年程度で東南アジア、更に数年後からはアフリカ、と経済発展に伴い中間所得層も増えていきます

例えば、インドネシアでは、現在進行中でコーヒーやレストランチェーンが爆増しています。これと同じことが、今後上述した国で起こるでしょう。そして、スタバはそうした需要を掬い取る良いポジションにいるわけです。

スターバックス【SBUX】の株価推移

スタバの株価は、2008年9月後のリーマンショック後に$5程度だった株価が、コロナショック前のピーク時で$96程度まで上がり、なんと20倍弱伸びています。すごい伸びですね。

コロナショック後、ピークから15%程度低い水準まで値を戻している状況です。

スターバックス【SBUXの売上と利益

売上と利益推移

売上は右肩上がりで伸びています。これは、直営とライセンス両方、さらに米国と米国外何れも店舗数が右肩上がりで伸びているからです。この規模で凄まじいです。

一方、営業利益は売上高の増加の割に、微増にとどまっています。

当期利益も、2018年にはトランプによる法人税カットの恩恵を受けて大きく伸びましたが、全体としてはやや伸びている程度です。

利益率の推移

利益率を見ると、営業利益率・当期利益率ともに、減少傾向ですね。

主な理由は、デジタルシフトによるテック人材獲得も含む従業員の給与や福利厚生の増加、テックインフラへの投資ですね。Teavanaを含む小売や直営店の閉鎖に伴る構造改革及び減損費用も効いています。

ただし、後ろ向きな理由ではなく、「将来への投資」に積極的にお金を費やしているという理解です。

売上内訳の推移

売上の内訳をみると、2015年からほとんど変わっていませんね。

3/4を占めるのがコーヒー等飲料、残りを食べ物、そしてCPG(小売などで売るパッケージ商品)、及びその他という構成です。

セグメント別売上の推移

セグメント別でみると、米国・カナダ・ラテンアメリカを含むアメリカの比率は全体の約7割で一定です

一方、アメリカ外の比率が上がって、チャネルが下がっています

これは、アメリカ外の売上が伸びていることは勿論、チャネル売上の構造が変わったからです。

ここで言うチャネル売上とは、主にCPGの売上のことですね。これを2018年にパートナー企業へのライセンス契約に変えています。つまり、パートナー企業に対して、「スタバのブランドを使ってCPGを売らせてあげる代わりに、ブランド使用料を払ってね」ということです。

ライセンス契約は売上のボリュームは減りますが、利益率が高まります。

種類別店舗数の推移

基本的に米・海外、直営・ライセンス問わずに店舗数を毎年伸ばしています。この規模になってすごいですね。

2018年に海外ライセンス店舗数が減っているのが唯一です。これは、ライセンスであった上海など東中国のJVを100%傘下にし、直営店化させたためです。

ちなみに、日本も2015年にライセンスから直営へ切り替えています

一方、ブラジル・シンガポール・ドイツ・タイ等は、直営からライセンスへ切り替えていますね。

それぞれの国の経営状況やパートナー企業との関係によって、直営かライセンスかを柔軟に対応していると言えるでしょう。

国別直営店舗数の推移

直営店を国別でみると、アメリカが半分超を占めています続いて、中国が多く、2018年に東中国がライセンスから直営に切り替わったため大きく増えていますね。

続いて、日本とカナダが続きます。少し離れてイギリスですね。

Teavanaは紅茶のブランドですが、2012年にスタバが$620Mで買収しました。が、その後振るわず、結局2018年にその小売店を一斉に閉鎖しています。

こうして見ると、各国の直営やライセンス、そしてスターバックス以外のブランド、CPGの戦略など、毎年割と大きな意思決定を繰り返しているように見えます。

スターバックス【SBUXの配当

一株当たり配当額と配当利回り

一株当たり配当額を見てみると、2011年から2019年にかけて5倍強に増えています。利回りも増加傾向で、現在2%程度ですね。

これだけ株価が増加しつつも、配当利回りが2%前後で安定的に維持されているのはさすがです。

連続増配は現在まで10年ですね。

配当性向

配当性向は40-50%の水準に抑えられています。直営店舗を拡大するには初期投資で必要ですし、スマホ経由でのピックアップ等テックインフラへの投資も相応にかかるので、この程度の水準で投資枠も十分確保するというバランスだと思います。

発行済株式総数

自社株買いも相応に行ってきていますね。2015年から2019年にかけて、約80%の株数に減少しています。

スターバックス【SBUXのキャッシュフロー

営業CFが2018年に急増しているのは、主にトランプによる法人税カットの影響です。2017年にはやや落ちていますが、 2019年にはまた増加していますね。

$1-2Bの規模で毎年投資を行っています。上述したように、新規直営店や既存店舗への設備投資、加えてテックインフラへの投資が主でしょう。

スターバックス【SBUXのEPSとBPS

2018年、2019年とBPSが大きく下がりマイナスになったのは、大きく自社株買いをしたためです。EPSも増加傾向にあります。

スターバックス【SBUX】のまとめ

今回は、「アメリカ スターバックス株【SBUX】の銘柄・配当分析。【今後】」について書いてきました。

株価の大幅な伸びの一方で配当利回りが一定水準で維持されている点、トップラインも右肩上がりで利益率こそやや落ちているものの、国際展開含めまだ店舗増加に伴うトップライン及び利益の増加が見込める点は凄いと思いました。

スターバックス【SBUX】のまとめ

  • 株価は、リーマンショック後からコロナショック前まで、20倍弱という凄まじい伸び。
  • 配当利回りも2%前後で維持。連続増配は現在まで10年。
  • 配当性向は40-50%に抑えられており、新規直営店などの設備投資枠も十分確保。
  • 2012年に$620Mを投じて買収した紅茶ブランドのTeavanaは振るわず、結局店舗を閉鎖。
  • 店舗は直営とライセンスがちょうど半々の割合。米国内外含め、店舗数は右肩上がり。
  • 店舗数の伸びに合わせて売上高も右肩上がりな一方、利益率はやや減少傾向も、15%程度を維持。
  • 利益率の高いフランチャイズやライセンスへ舵を切る会社もある中、スタバは国によって直営からライセンス、逆にライセンスから直営へ切り替え、状況に応じて柔軟に対応。
  • この10年の成長は目を見張るものがある。今後成長が続くか要注目。

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続いて、Yum! Brands株【YUM】ですね。ケンタッキー、タコベル、Pizza Hutをそれぞれ運営しています。

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