今回は、ブラックロックが運用する、アメリカの投資適格社債を集めたETFである【LQD】を見ていきたいと思います!
目次
【LQD】の株価推移
LQDは運用開始が2002年です。比較的長い間運用されているETFですね。
リーマンショック後の株価は、コロナショック前のピーク時まで40%弱上昇しています。
コロナショックによる下落は7%に留まっていて、現在ではコロナ前の水準まで株価を戻しています。コロナショックによる影響が非常に限定的なETFと言えますね。
【LQD】のポートフォリオ構成
業種別比率
業種別で見ると、金融が1/4超を占めます。そして、生活必需、テレコム、テック、オイル・ガスと続きます。
金融の比率が高いですが、幅広い業種に分散されている印象です。
組入発行会社トップ10
組入順位 | 発行体 | 業種 | 比率 |
1 | Bank of America | 金融 | 2.91% |
2 | JPMogan | 金融 | 2.80% |
3 | Wells Fargo | 金融 | 2.41% |
4 | AT&T | テレコム | 2.25% |
5 | Comcast | テレコム | 2.22% |
6 | Citi | 金融 | 2.18% |
7 | Verizon | テレコム | 1.95% |
8 | Goldman Sachs | 金融 | 1.94% |
9 | Morgan Stanley | 金融 | 1.90% |
10 | Oracle | テック | 1.85% |
続いて、組入トップ10を見ていきましょう。
ちなみに、これは債券毎のトップ10ではありません。例えば、Bank of Americaについても、幾つか異なる債券を買っているので、それらを発行会社毎に合計したデータになっています。
見ての通り、トップ10の内、6つを金融が占めています。トップ3は金融ですね。
続いて、テレコムが3つ入っていますね。
トップ10については、金融とテレコムにかなり偏っていると言えます。
組入債券トップ10
組入順位 | 発行会社 | 業種 | 比率 | クーポン | マチュリティ(年) |
1 | BLK Cash Fund | – | 1.72% | 0.17% | – |
2 | GE Capital | 金融 | 0.34% | 4.42% | 2035 |
3 | Anheuser-Busch | 生活必需 | 0.32% | 4.9% | 2046 |
4 | CVS | 生活必需 | 0.3% | 4.3% | 2028 |
5 | CVS | 生活必需 | 0.29% | 5.05% | 2048 |
6 | Goldman Sachs | 金融 | 0.23% | 6.75% | 2037 |
7 | T-mobile | テレコム | 0.22% | 3.88% | 2030 |
8 | Wells Fargo | 金融 | 0.21% | 5.01% | 2051 |
9 | CVS | 生活必需 | 0.19% | 4.78% | 2038 |
10 | Anheuser-Busch | 生活必需 | 0.18% | 4.7% | 2036 |
個別債券の組入トップ10を見るとどうでしょう。
1位のBlackrock Cash Fundは、現金と同等と見なして良いと思います。米国債の借換や国家の一時的な資金不足を補う割引債へ投資しているものという理解です。
個別債券毎のトップ10を見ると、業種別で生活必需が多かったことに合点がいきますね。
世界最大の醸造会社であるAnheuser-Buschが2つ、米国最大の薬局を中心としたヘルスケア会社であるCVSが3つ入っていますね。いずれも分類は生活必需です。
組み込まれているクーポンは概ね5%前後でしょうか。Goldmanの6.75%というクーポンの高さはここでも目立ちます。
格付け別比率
格付け別で見ると、ETFの名前にある通り、投資適格であるBBB以上の債券で固められていますね。
BBBが47%、Aが43%とこの二つの格付け債券で全体の9割を占めます。安定性を求めつつ、利回りを高めようとするとこういう比率に行き着くのでしょう。
マチュリティ別比率
マチュリティ別で見ると、10年未満が56%を占めます。続いて、20年以上の超長期が約3割、そして10-20年が15%と続きます。
全体で見ると、マチュリティはやや短いと言えるかもしれません。
【LQD】の一株当たり配当額と利回り
配当額を見ると、2010年から2017年にかけて右肩下がりで落ちています。そこからやや回復しているところです。
利回りも似たような推移で、基本的に右肩下がりですね。2010年には7%弱あった利回りが、現在では3%強と半分以下に低下しています。
3%だと、銘柄によっては、米国が誇る連続増配銘柄の利回りに劣る水準ですね。
【LQD】の基本情報
経費 | 0.15% |
運用総額 | $49.8B |
組入債券数 | 2223 |
組成時期(年) | 2002 |
先ず気付くのは、経費の高さですね。0.15%です。ちなみに、同じく適格社債を集めたETFであるVCLTは0.05%です。
一方、運用総額は約$50Bと相応なボリュームがあります。組成が開始されたのも2002年と割と早いです。
【LQD】のまとめ
今回は、「【LQD】の分析。ブラックロックが運用する投資適格社債を集めたETF」について見てきました。
コロナショックでも株価が大きな影響を受けていない点は債券ならではのメリットと思う一方、年々利回りが低下し、直近では3%超というのはなかなか低いなという印象です。
【LQD】のまとめ
- LQDの株価は、リーマンショック時の底からコロナ前のピークまで約40%上昇。
- コロナショックによる下落はピークから7%程度と限定的で、現在はコロナショック前の水準まで回復。
- 業種別では金融が全体の1/4、生活必需、テレコム、テックと続き、幅広に分散されている印象。
- 格付け別では、BBBとAが全体の90%を占める。
- 配当額も利回りも右肩下がりで、利回りは現在3%超という水準。
- 経費はやや高めの0.15%の一方、運用総額は$50Bと相応にまとまった額を確保。
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