【HDV】の分析。ブラックロックが運用するETF。配当や利回りも

今回は、「【HDV】の分析。ブラックロックが運用するETF。配当や利回りも」について、書いていきます。

いきなり余談ですが、Blackrockは元はBlackstoneの一部でした。Blackstoneとは、Stephen Schwarzman率いる泣く子も黙るPEファンドの雄です。バイアウトや不動産等、 業界のトップ企業と言えるでしょう。

元は同じ会社なのは、名前を見ても想像がつきます。それぞれ和訳すると、Blackstoneは黒石で、Blackrockは黒岩。非常に類似していますよねw

【HDV】の株価推移

株価の推移を見ていきます。HDVは2011年に組成されたので、そこからのデータになります。

組成後の2011年からコロナショック前まで、株価がちょうど2倍程度に上がっていますね。そこから40%落ち、現在はピークから20%弱低い水準で推移しています。

【HDV】のポートフォリオ構成

次に、HDVのポートフォリオ構成を見ていきましょう。

業種別比率

先ず目につくのは、エネルギー分野が最も多い28%を占めることですね。オイル・ガスは確かに配当性向が非常に高い銘柄があります。

が、コロナショックによる外出自粛から、飛行機や車などのエネルギー需要が激減したことに加えて、原油産国が合意に至らず、原油価格が暴落しました。原油のレバレッジETFの影響や貯蔵場所が埋まったことで、一時は原油価格がマイナスになりましたよね。

現在は、少し値は戻ったものの、とは言え去年の半値です。

従って、オイル・ガス銘柄は少なくとも短期、もしかすると中期で業績悪化による減配が続くリスクがあると思います。

続いて、ヘルスケア・テレコム・生活必需・インフラといった比較的安定的な業種が並びます。ヘルスケアも、中小型銘柄だとギャンブル的要素を持つものも少なくありませんが、大型銘柄は安定的な会社が多い印象です。

金融や消費財の割合が極めて少ないのも特徴と言えます。

組入銘柄トップ10

組入順位社名業種比率配当利回り(2020/5/19)連続配当年数
1Exxon Mobilエネルギー10.19%7.68%38
2AT&Tテレコム8.07%7.06%35
3Johnson & Johnsonヘルスケア7.32%2.68%57
4Chevronエネルギー6.97%5.58%4
5Verizonテレコム6.63%4.41%13
6Pfizerヘルスケア6.38%3.99%10
7Ciscoテック4.63%3.20%8
8Merckヘルスケア4.01%3.06%9
9PepsiCo生活必需3.57%3.02%47
10Coca cola生活必需3.41%3.65%57

業種別でエネルギーが最も多いだけあって、ExxonやChevronが上位にいますね。

エネルギーについては、短期ではコロナによる需要減で打撃を受けるものの、生産コストが高い原油国や米シェールオイル会社が倒産するので、中期的に需要が一気に増加した時に生産高が追い付かないという予測もあります。その場合、ExxonやChevronといった大手が果実を手にするわけです。

一方、長期では脱化石燃料化が加速し、業界全体が大きく変化する可能性もあると考えています。

AT&TとT-mobileというアメリカのテレコム1位と2位も上位に含まれています。テレコムというか、インフラと言っても差し支えないかと思いますね。

PepsiCoとCoca colaという飲料業界の重鎮且つ連続増配銘柄の代表が含まれているところは、好感が持てます。

【HDV】の一株当たり配当額と利回り

増配は2016年に途切れていますが、2012年から2019年にかけて、配当額は約1.5倍へ増えています

配当利回りは4%前後を推移していて、現在は4.1%程度です。上述したように、エネルギー銘柄は減配が予想されますし、短期ではこれが下に振れてくる可能性もあるでしょう。

【HDV】の基本情報

経費0.08%
組入銘柄数75
運用総額$5.9B
トップ10組入銘柄の割合61.2%

経費は、0.08%とVYMの0.06%やSPYDの0.07%より少し高いですね。

最も気になるのは、トップ10銘柄の割合が61.2%と、かなり偏っていることですね。連続増配銘柄が半分を占めるとは言え、この点は留意が必要でしょう。

運用総額も$5.9Bとまだまだ小さい規模と言えます。

【HDV】のまとめ

今回は、「【HDV】の分析。ブラックロックが運用するETF。配当や利回りも」について、書いてきました。

連続増配銘柄が多く含まれている一方、トップ10銘柄へ投資が集中していることと、エネルギー銘柄が最も多い28%を占めていたことが気になるところです。

【HDV】のまとめ

  • 2011年の組成時からコロナショック前まで、株価は約2倍に上昇。
  • 業種別では、エネルギーが28%と最も多く、ヘルスケア、テレコム、生活必需と合わせると70%超を占める。
  • 連続増配銘柄が多く含まれる一方、上位10銘柄に60%超が集中していることには留意が必要。
  • 配当利回りは、現在まで4%前後を推移。
  • 経費は0.08%で、VYMの0.06%やSPYDの0.07%より少し高い。

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