今回は、「アメリカ コカコーラ 株【KO】の銘柄分析。【米国株 高配当 連続増配】」について、書いていきたいと思います。
目次
コカ・コーラ【KO】の事業
先ず、コカ・コーラ社の事業の全体感からいきましょう!
コカ・コーラ社は、133年の歴史を誇り、500以上の飲料ブランドを、200ヶ国以上で売る、世界最大の清涼飲料水メーカーです。
ビジネスモデル
ビジネスモデルは、こちらの図が分かりやすいですね。
大きく2つのモデルがあります。
- 最終製品/飲料を自社工場で製造し、小売又は卸売、ディストリビューターへ販売
- 飲料の濃縮シロップを、ボトリングパートナーへ販売
過去10年間で、利益率の低い1の「BIG(ボトリング)事業」を現地パートナーへ譲渡し、代わりに利益率の高い2の「原液販売やマーケティング事業」の割合を高めました。
2015年には売上高の半分以上を占めていたBIG事業ですが、2019年には19%まで落ちています。
ちなみに、ボトリングパートナーは225、ボトリング工場は900に及びます。さすがコカ・コーラの規模感でしょう。
製品種類別の内訳
コカ・コーラ社と言えば、コーラが売上の大半と思う方も多いのではないでしょうか?私もそうでした。
実際は違うのですね。

Coca-cola社Investor Review資料より引用
2019年の売上内訳をだと、「スパークリング・ソフトドリンク(コーラを含む)」は全体の半分強に過ぎず、「ジュース」「水」「お茶とコーヒー」がそれぞれ概ね同じ割合で、残りを占めます。
これら4つ全ての分野にて、グローバルでシェア1位を獲得しています。(エナジードリンクは2位)
地域・事業別内訳

Coca-cola社Investor Review資料より引用
地域・事業別の売上内訳は、北米が最も多く31%、ヨーロッパ・中東・アフリカが18%、続いてアジア太平洋が14%、南アメリカが11%、上述したボトリング事業が19%、そしてM&Aで買った事業が中心のグローバルベンチャーズが7%です。
グローバルベンチャーズ事業の売上の90%強は、イギリスで事業を展開するコーヒー小売中心のCOSTAと、スムージーを売るinnocentによるものです。
コカ・コーラ社の堀
私が考えるコカ・コーラ社の堀、つまり他社には簡単に真似できない参入障壁はこちらです。
コカ・コーラ社の堀
- 長い間積み上げてきた、圧倒的なブランドイメージ・価値。
- 巨大で広範囲なボトラーとのネットワーク。
例えば、飲み物のコカ・コーラ自体は、平たく言えば炭酸砂糖水なわけです。ペプシと何が違うのか、はたまた各地に存在する類似した飲み物と味が違うのか、と言われると答えに窮します。
しかしながら、「コカ・コーラ社は、長い時間と巧みなマーケティングで、時代に即したコカ・コーラのブランド・イメージを作り上げてきた」わけです。世界中における認知度も圧倒的で、これは大きな参入障壁になるでしょう。
加えて、「世界に散らばる225のボトリングパートナーとのネットワーク、自社工場も強固」です。これらを作り上げるには、時間と圧倒的な資金が必要なので、これも他社には模倣されにくいポイントと言えます。
コカ・コーラ【KO】の株価推移
続いて株価です。
リーマンショック以降、株価は順調に右肩上がりでした。底値からピーク時点で約3倍なっています。
しかし、コロナショックで一時はピークから40%下げた後、5月時点で$45程度まで戻しています。
今後コロナ第二波が来て、2番底を目指すのかは誰にもわかりませんが、長期保有前提なら、買うタイミングと言えるかもしれません。
コカ・コーラ【KO】の売上と利益
2015年から2017年にかけて、売上と利益共に減少しています。理由は事業再編でしょう。
利益率の低いボトリング事業を外出しし、ブランド開発等利益率の高い事業に集中させる再編ですね。
再編がひと段落し、2017年から利益が一気に増加しています。
利益率も非常に高いのが特徴です。
今後のターゲットとして、「M&Aを含まない売上増加を4-6%、営業利益を6-8%成長」と置いています。
コロナショックの影響として、全体の約半分を占める「Away-From-Home」 チャネルの売上が大きく減少したと発表しています。Away-From-Homeチャネルとは、レストランやバー、コンサートやスポーツ等のイベント経由での売上です。世界的に外出自粛規制が取られているので、その影響をモロに喰らった形ですね。
一方、Eコマース経由での売上が大きく増加しているようで、光がないわけではありません。
既にWithコロナのNew Normalに突入している、中国での動向を参考にし、他地域への対策を先手先手で打っていくのでしょう。地域や販売チャネルでポートフォリオを組めているのが効いていますね。
コカ・コーラ【KO】の配当と配当利回り
コカ・コーラは増配企業として有名で、57年(!)連続増配をしています。
アメリカのトップ企業が持つ強さを感じますね。アメリカには、特に消費財インフラ等、景気動向の影響を受けにくい銘柄で、数十年にも渡って連続増配している企業があります。アメリカという国のベースの厚みや凄さを感じます。
配当利回りも3%をコンスタントに超えています。2019年に少し落ちたものの、直近の株価下落で3.6%に上がっています。
一方、配当性向は、2019年時点で80%程度と高いことは、留意が必要でしょう。
今後も「増配継続で、FCFの75%を目安に配当をしていく」ターゲットです。
コカ・コーラ【KO】のキャッシュフロー
営業CFとFCF共に2017年を境に上がっていますね。
今後のターゲットとして、「FCF・コンバージョン(=FCF/当期利益)を90-95%」と置いています。
コカ・コーラ【KO】のEPSとBPS
BPSが2017年にかけて減ったのは、事業再編でボトリング事業自社ビルなどのアセットをバランスシートから切り離したからですね。
コカ・コーラは他企業のように、大規模な自社株買いはしていません。小刻みにしている印象ですね。
あくまで、「余剰キャッシュが出来たら、都度自社株買いをして株主還元する方針」のようです。
利益の増加と機動的な自社株買いを組み合わせながら、「EPSの7-9%成長」を目指しています。
コカ・コーラ【KO】のまとめ
今回は、「アメリカ コカコーラ 株【KO】の銘柄分析。【米国株 高配当 連続増配】」について、書いてきました。
巨大企業ですが、SDGs等時代の流れを理解し、売上・ボリュームから利益・バリュー重視の事業へ再編したところは、さすがですね。
コロナショックで一時的に業績が悪化しそうですが、それも乗り切れるバランスシートの強さがあります。需要が無くなることは考えにくいので、きっと遠くない内に回復してくるのではないでしょうか。
コカ・コーラ社のまとめ
- コカ・コーラ社は世界最大の清涼飲料水メーカー。
- コーラを含む炭酸飲料水は全体の5割強。
- 圧倒的なブランド力、ボトリングネットワーク・システムが堀。
- 57年連続増配の実績。
- 10年にも及ぶ事業再編を経て、トップライン重視から利益率重視へ事業を転換。
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